日本のマーケットに興味を持ち、日本で自分のデザインを紹介したいと思っているバルト三国出身のデザイナーが増えている傾向がある。北欧と日本の間には文化やマーケットの違いがたくさんあるが、グローバル化している現代の世界において、遠く離れている地方でもお互いに対しての興味や関心が高まっている。リトアニアビジネスの日本マーケットでの体験については、今年の3月に「バルトアジア」がヴィリニュス大学で行った会談の時に話し合った。今回、日本の読者の方に日本でバルトデザインの商品を販売し始めたリトアニアの人気ブランド「Julia Janus」(ユリア・ヤーヌス)を紹介する。

ファッションハウスのヘッドデザイナーであるJulia Janusがファッションと食文化が融合した「ルック・クック・ブック」を紹介している様子
「Julia Janus」はリトアニアで人気があるコンセプトファッションハウスで、近年はリトアニアのみならず、ラトビアやウクライナを含む6つの店のチェーン展開やインターンシップの受入れを行っている。また、「Julia Janus」の商品がリトアニアの近隣国のロシアやフィンランドをはじめアメリカ、カナダ、レバノン等、世界中の高級なマルチブランドストアで売られている。日本国内においても、去年から神戸市の「SAIJO-SHOP」で販売している。

リトアニア首都のヴィリニュス市で位置している「Julia Janus」の店
ブランドの思想は、バルト地方の特徴的なスタイルやアイデンティティーに基づいた、精力的で人生を楽しむ現代人へのデザインである。婦人服、紳士服のデザインが中心だが、それに限らず、様々な分野の北欧のアーティストや職人と協力し、靴やジュエリーをはじめ、インテリア用のアクセサリーや食器、キャンドルまで、幅広い商品のデザインをしている。バルト地方の自然をモチーフにしたデザインは、洗練されながらもミニマルである。また、商品の素材には上質なものを用いている。「Julia Janus」が特に注目を浴びている理由はファッションや食文化の融合。そのため、「ルック・クック・ブック」、ファッションと食文化が融合した絵本を出版している。
特に注目を浴びるファッションと食文化の融合
リトアニアを訪れた日本人も「Julia Janus」のデザインに注目をしている。今回の「バルトアジア」編集部の注目したのは、先月「Julia Janus」がFacebookでシェアーした日本のアイスホッケー選手金子直樹選手の写真。「Julia Janus」のメンズコレクションの服を着ている金子選手の写真について、ファッションハウスの活動広報担当者のエグレー・トラナイテーさんに連絡し、伺った。「金子選手はヴィリニュスのアイスホッケーのチーム「Hockey Punks」でプレイしていました。弊社の渉外係のマリアさんがアイスホッケーの大ファンで、彼女の友人も同じチームでプレイしています。そこで、金子選手と知り合いました。彼が帰国する前に、マリアさんが金子選手を「Julia Janus」のお店に呼びました。金子選手は、お土産用の手作りの陶磁器、キャンドルだけでなく、「Julia Janus」の新しいコレクションのメンズ服も気に入っていました。」
「Julia Janus」の2015年秋冬コレクションの服を着ている金子選手
「Julia Janus」の商品が日本で販売されはじめてことについても聞いてみた。「日本のパートナーとの協力を去年から始めました。パリで行われる国際ファッションフェアに参加した際、日本の神戸市お住まいのビジネスウーマンに「Julia Janus」のコレクションが注目されました。彼女が日本人のお客様がミニマルなデザインを特に評価していると話し、弊社のコレクションをオーダーしました。現在、弊社のデザインの商品は神戸市の「SAIJO-SHOP」で購入できます。」とエグレーさんが語っていた。また、「Julia Janus」の日本のパートナーとの協力については以下のように話した。「今まで国際フェアーに何度も参加して感じたことは、日本人は細部までこだわりを持ち、洗練されたデザインや自然な素材、色の組み合わせを高く評価しています。弊社の商品も日本人の趣向とマッチしているため、日本人のお客様の気に入ってもらえると思います。日本のパートナーと協力しはじめたところですが、これからもその提携がうまく行ったら、将来日本での販売を拡大したいと思います。」
「Julia Janus」2016年春夏コレクション
「バルトアジア」の読者さんはバルトのデザインはどうだろう。
「Julia Janus」のインターンシップ : http://juliajanus.com/en/
「Julia Janus」商品の日本での購入:「SAIJO-SHOP」 〒650-0021兵庫県神戸市中央区三宮町2丁目8−7
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画像:http://juliajanus.com/
記事の著者: Roberta Mikailionytė (ロベルタ・ミカイリョニーテー)