杉原ハウス の 再建:当時 の 内部 を 再現

 杉原千畝は、日本とリトアニア間の文化交流、外交を語る上で最も重要な人物である。彼が第二次世界対戦中に発行したビザは『命のビザ』と呼ばれ、リトアニア人を始め、ポーランド、ドイツのユダヤ人1万人以上を救った。この功績を称えて、カウナスにある旧日本領事館は、杉原ハウス と呼ばれる記念館が設立された。ヴィタウタス・マグヌス大学のアジア研究センターが 杉原ハウス の二階から移転した際に、展示のスペースが増え、展示品を増やすことが可能になった。

 杉原ハウス再建の案は数年前からあったが、実現に至るには金銭面の課題があった。しかし、日本人が再建のための十分な資金を募ってくれたおかげで、改装工事が開始された。敦賀や神戸では、再建、維持のための募金が2万ユーロ以上集められた。杉原ハウスのマネージャーである、ヤヌライティス氏によると、再建の 最終ゴールは当時の杉原ハウスの内部を 再現することである。ドイツで 注文された電気ソケット、ライトスイッチ、窓ハンドル、リトアニア語で「熱い・寒い」を意味する文字が入ったラジエーターバルブなど、停戦中のカウナスのモダニズム建築が鑑賞できるようになる。

 二階は博物館の所有物のため、スタッフは第二次世界大戦中のリトアニアの歴史背景と政治情勢を表す展示品のスペースを拡大する予定である。一年間に1万6千人以上が、杉原ハウスを訪れるが、その当時の歴史的背景と政治情勢についてわかりにくいため、その分野の展示品の補充が必要である。かつて杉原家のダイニングルームやリビングルームとして使われていたメインの部屋は、外交官についての映画が上映され、また博物館と在リトアニア日本国大使館が主催するイベントが開催される。これらの再建は今年中に完成する予定だが、建物の玄関部分が一番深刻な問題である。玄関が最後に修理されたのは1980年代だと言われており、また屋根と庭の修復必要である。

 博物館は屋根と壁を修理し、当時の建物の色に家を塗り替え、庭の堀を復元し、庭の斜面を確保し、かつてあった藤棚を建てる予定ある。日本人も杉原ハウスの建て直しに貢献している。日本人のボランティアがリトアニアに来て、家の玄関を塗り替える予定である。修復は文化遺産機関の指示に従って行わなければならないため、特別染料はリトアニアで購入される。最優先事項は屋根修復だが、特殊なタイルが使用されるため、巨額の資金が必要である。ヤヌライティス氏よると、杉原ハウスは個人から資金援助を受けており、その一部は救われたユダヤ人の子孫と考えられている。また、このプロジェクトへの関心が高まっているため、カウナス市内や他国からスポンサーを得ることも期待されている。また多くの日本の会社が支援を表明している。

 どんな些細な支援でも役に立つため、少しでも興味がある方は博物館の公式ホームページ(http://www.sugiharahouse.com/en/support-us) にて、より詳しい情報を得てほしい。

 

著者: Ugnė Radvilaitė (ウグネ・ラドヴィライテ), Viktorija Purlytė (ヴィクトリア・プリーテ)

編者: Kie Kawai, Soushiro Mizoue

 

Author: Baltic Asia

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